これってなんの紙?~「アナと雪の女王2」のチラシ~

 

「紙」と聞くとみなさんは何を思い浮かべますか?
日常生活で見ない日はない!と言い切れるほど我々の生活に溶け込んでいる紙ですが、中でもよく見かけるのがイベントで配られたり、店頭に置かれているチラシ。
一目で何の広告か、どんなイベントなのかわかりやすいデザインが施されているのが特徴です。

チラシと言えば、映画館の入口にもB5サイズで設置されているのを目にしますよね。
好きな俳優さんが出演していたり、気になる映画があれば持ち帰って部屋に飾ったりする方も多いのではないでしょうか。
そんな映画のチラシですが、デザインから受ける印象はもちろんのこと、実は紙の質感、
厚さによってもガラッとイメージが変わるんです!
手にした時の「厚い、薄い」という印象だけではなく、映画のイメージにも繋がるような役割が紙の特徴から見えてくるかもしれません。

今回は、映画のチラシには何の紙が使われているのか、検証していきたいと思います!

   

検証するのは、ディズニー映画「アナと雪の女王2」のチラシ。
5年前の2014年に公開してから社会現象を巻き起こしたあの有名な作品ですが、
現在、「2」が絶賛上映中ですね。

この「アナ雪」のチラシ、どんな紙が使われているのでしょう?
まずは見た目、そしてさわり心地を探ってみたいと思います。

 

表面。
光沢があり、ツルツルとしたさわり心地なのが見ただけでわかりますね。
白をベースに、主人公が2人、タイトルとキャッチコピーも比較的小さめに載っていてシンプルなデザインなのが分かります。

 

 

 

 

続いて裏面。
表に比べて光沢はなく、ザラザラとしたさわり心地です。
一面に描かれた映画のワンシーンの上にあらすじなどの文章が記載されています。
表面よりも情報量が多く、映画の内容をより詳しく見ることができますね。

全体的に触った感触としては、薄すぎず、ポスターとしても飾りたくなるような、ほどよい厚さです。薄くてすぐ折れてしまいそう…なんてことはなく、手に取りやすくて持ち帰りたくなりそうな印象です。

これらの特徴をまとめると…

 ①表面の白を基調としたデザインと光沢感
 ②裏面のザラザラとした手触り、文章を中心としたデザイン
 ③薄すぎず、ポスターとしても使えそうな厚さ

以上があげられます。これらの特徴を持ち合わせた紙はというと…


「キャストコート」という紙です!
そして4/6判90kgの厚さが使用されています。

キャストコートとは、表面に強い光沢を持つ高級印刷用紙で、高光沢、なおかつ高平滑のため、印刷の再現性にも優れています。
表裏どちらも光沢加工されている両面キャストコート、片面のみ光沢加工が施されている片面キャストコートの2種類があり、今回のチラシで使用されているのは片面キャストコートの4/6判の90kgです。

このキャストコートが使用されていることで、この映画の特徴でもある「雪や氷の冷たさ」がうまく表現されているように感じませんか?

そして裏面には光沢を抑えた上質ベースが使用されることによって、文字が読みやすく映画の大事な情報が目に優しく入ってきます。

「紙」と「デジタルメディア」の決定的な差、それは実際に手に取ることができるということです。
デザイン面はもちろんのこと、紙の質感、見た目、手触りからも情報やイメージを感じ取ることができるのが紙の魅力です。

今回の検証で、光沢加工が特徴のキャストコートが使われていることがわかりました。
このように、チラシに使われている紙には「こだわり」があって、デザインを形成する大事な部分でもあるのです!

この記事を読んで感化された(?)方、
ぜひ身近にあるチラシを手にとって、どんな紙が使われているのか、じっくり見てみてください。奥深い紙の世界に興味が湧いてくるかもしれません。

そして、この紙はなに?このチラシに合う紙は?と疑問に思うことがありましたら、
ぜひシオザワへお問い合わせください!