日本の伝統文化!「折り紙」 歴史/サイズ/厚さ/折り方

 折り紙といえば……鶴!と私は頭の中で浮かびましたが、皆さんは何を想像しましたか?
他にも紙飛行機や兜(かぶと)、手裏剣など様々なものを折って作ることができますよね。

最近折り紙をする機会はありましたか? 
大人になると少しずつ機会が減ってしまうかもしれませんが、幼稚園や保育園、また小学校の時に折り紙を折るような機会があったのではないでしょうか。

私は不器用だったので折り紙は苦手でした。ですが小学生の時に3人でたくさん鶴を折って、入院していた友達に千羽鶴を渡す機会がありました。その時から唯一鶴を折ることだけ、自信を持って得意分野だと自分自身では思っています。しかし他のものはあまり上手に折ることができません……苦手です。(笑)

昔からの"遊び"の一つで現代にも続いている日本の文化「折り紙」。最近では海外でも「ORIGAMI」として伝わるようになりました。外国から日本に来る観光客が増え、折り紙体験ができるバスツアーがつくられているほど、折り紙は日本の伝統文化として根付いています。
ということで、今回はこの折り紙についてお話をさせていただきます。

   

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折り紙の歴史
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7世紀初めころに紙の製法が日本に伝えられ、独自に製法や材料の調整など試行錯誤を繰り返し、日本人の工夫によって薄くて丈夫な「和紙」が誕生しました。また、和紙は当時は高級品だったので、記録用の他に、神様への供物を包むために使用されていました。
この「包む」という行為が折り紙のはじまりと伝えられています。

折り紙は種類が2つに分かれており、用途によって使い分けをされてきました。
1つ目は「儀礼折り紙」という折り紙です。鎌倉時代は、小笠原家や伊勢家、今川家によって様々な礼法が整えられ始めた時代で、武家の間で贈答文化が盛んになりました。その贈答品を、和紙で包んだり添えたりするものが「儀礼折り紙」です。
現代でも残っている風習では、お歳暮やお中元、お祝いの「熨斗(のし)」になります。

2つ目は「遊戯折り紙」です。様々な礼法や決まりのある儀礼折り紙から離れて、現代の私たちにとって一番身近で、動物や植物など様々な種類があり、文字通り遊ぶことを目的とした折り紙のことを指します。
室町時代には、既に現代と同じような「鶴」や「やっこさん」の折り方があったそうです。
しかし、当時和紙は高級品で、遊戯折り紙は貴族の遊びだったため、庶民にはあまり馴染みがありませんでした。

ちなみに、
折り紙という呼び方とは別に、「千代紙(ちよがみ)」と言われる場合もあります。
皆さんは「折り紙」と「千代紙」の違い……何だかわかりますか?

簡潔に答えを言いますと、和紙で作られた正方形の紙を「千代紙」、洋紙で作られた正方形の紙を「折り紙」と呼びます。

また、千代紙の中にも種類があり、京都で作られたものが「京千代紙」、江戸で作られたものが「江戸千代紙」と言われています。千代紙は諸説がありますが、京都で発明されたという説が最も有力とされています。京千代紙は、平安時代以降の公家階級で装束や調度品、輿車などに用いられたデザインになります。一方、江戸千代紙は浮世絵版画の多色刷りの技術が発達し、歌舞伎十八番などをモチーフにしたデザインもでてきました。それらの種類は1,000を超えると言われています。

地域や文化でこのようなデザインの違いが生まれてくるのも、千代紙の特徴ともいえます。

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折り紙の寸法と厚さ
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折り紙は現在、文房具店の他にも雑貨屋、インターネットショッピングや100円ショップなどで販売されているため、手に入りやすく、私たちにとって身近な存在になりました。

▶サイズについて
私たちが使用している一般的な折り紙のサイズは、150㎜×150㎜の正方形になります。このサイズは昔で言う「5寸」の大きさにます。(1寸は約30㎜)
初期の折り紙用紙には、4寸、5寸、6寸の3種類があり、現在も4寸の120㎜×120㎜、6寸の180㎜×180㎜サイズの折り紙も販売されています。
ちなみにメーカーによってサイズは異なりますが、千羽鶴用の折り紙も販売されており、
一般的に販売されている千羽鶴用の折り紙の寸法は、70㎜×70㎜か75㎜×75㎜になります。普通のサイズより少し小さめに作られていますね。

▶厚さについて
触った感触はメモ帳やノートに使われている厚さよりも、若干薄い印象があります。実際に厚さを測ってみたところ、上質紙の一般的な折り紙は52,3g/㎡~64g/㎡、4/6判45㎏ベースから55㎏ベースの厚さになります。
折り紙は、薄すぎても破けやすく、逆に厚すぎても紙の目の関係で上手く正確に折れないことがありますので、紙の厚さは折り紙にとって重要な項目の一つになります。

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折り方
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折り紙を折る時、その折り方の名称を知った上で折っていますか?

例えば、折り目の線が外側になるような折り方を「山折り」、折り目の線が内側に隠れるような折り方を「谷折り」。これは基本中の基本の折り方なのでわかりますよね。
その他にもたくさんの種類の折り方がありますが、ここでは簡単な折り方を3つご紹介させていただきます。

①蛇腹折り(アコーディオン折り)

山折りと谷折りを交互に行っていく折り方を蛇腹(じゃばら)折り、別名でアコーディオン折りとも呼ばれています。この折り方は正方形の紙でなくても折れるとても簡単な折り方で、七夕の笹の飾りとしても使用されています。

②ざぶとん折り

この折り方は、折り紙の4つの角をすべて中心に向けて折る方法になります。
そして右の画像のこの折り方、私はとても懐かしく感じましたが、皆さんはこの形を覚えていますか? 私は小学生の時に「ぱっくんちょ」という名前で呼んでいて、数字の回数だけ口を開いたり閉じたりして占い遊びなどをやっていました。

③花弁折り

こちらは見慣れた折り方ではないでしょうか? 鶴を折る時に使う折り方ですね。正方形の形から紙を広げ、ひし形にするように折ることを花弁折りと言います。鶴はこの折り方が難しいところですので、ここをクリアすれば怖いものは何もありません!(笑)

 


折り紙について、
いかがでしたか?

近年、世界でも日本の折り紙文化は知られるようになり、折り紙愛好家も増えているそうです。日本独自の古風なデザインや、細かく繊細な作業であるこの折り紙。まさに日本を象徴する素晴らしい文化であり、知れば知るほどその魅力を感じることができますよね。
皆さんもこの記事をきっかけに、折り紙を手に取ってみてはいかがでしょうか。