先日、特種東海製紙株式会社三島工場と、隣接するPamの見学に行って参りました。
今日はその見学レポートをさせていただきます。
特種東海製紙は、旧特種製紙㈱と旧東海パルプ㈱が、2010年に合併して設立された会社です。
お互いの会社は歴史も古く、特殊紙のメーカーとして、「レザック66」に代表されるレザックシリーズや、「タント」、「マーメイド」など、「なんか、この紙見たことがある!」と皆さんに感じて頂ける紙を数多く作っています。我々紙卸商からしてみると”おなじみの会社”なのです。
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特種東海製紙とは
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まずは、特種東海製紙株式会社さんのご紹介から始めます。
【沿革】
1907年 東海紙料株式会社(東海パルプ株式会社前身)設立
1926年 特種製紙株式会社設立
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2002年 特種製紙Pamが完成
2007年 特種東海ホールディング株式会社が設立。
2010年 特種製紙㈱および東海パルプ㈱を吸収合併し特種東海製紙株式会社を設立
歴史がある2社が2010年に合併し設立された、新しい会社です。
【製品】
<特殊紙>
ファンシーペーパー :紙が持つ豊かな表情や美しさを生かした製品。色の豊富さが特長です。
情報用紙 :情報の記録、伝達、処理に適する機能を持つ製品。
厳密に品質管理をしています。
工業用紙 :耐水性、耐油紙、無塵紙など一般の紙にはない機能を特別に開発した製品です。
<産業用紙>
段ボール原紙:より薄く、軽く、ムダなく各商品の性質や流通の仕組みを考慮し製造しています。
クラフト紙 :耐久性、引っ張り強度を高め、原料コスト削減と加工性を向上させています。
加工原紙 :お客様のニーズにあわせて、加工しやすい原紙のご提案をします。
<生活用紙>
ペーパータオル
食材紙 :おいしさを保つための吸水性、吸油性、柔軟性を兼ね揃えています。
トイレットペーパー
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三島工場とは
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では次に、特種東海製紙株式会社/三島工場の紹介をします。
三島工場では
特殊機能紙として、情報用紙と工業用紙。
特殊印刷用紙として、ファンシーペーパーと高級印刷用紙を生産しています。
【情報用紙】
特種東海製紙は、昭和初期に日本で初めてデータ処理のための統計機が導入された際、これに使用する用紙を国内で初めて製品化しました。以来、統計機の発展とともに、さまざまな情報用紙を国産第一号として世に送り出してきました。
代表的な情報用紙は、OCR用紙、MICR用紙(小切手用紙)、通帳用紙などがあります。
また、最高水準の偽造防止技術を駆使した商品券用紙、プライバシーを保護する親展はがき用紙(圧着はがき用紙)などがあります。
【工業用紙】
工業用紙の特長は、耐水性、耐油性、透湿性、難燃性、水解性、遮光性、導電性、調湿性など一般紙にはない、さまざまな特殊機能があげられます。
特に三島工場15号抄紙機では、徹底した異物・防虫排除を実現した医用包材、食品包材などクリーン度の高い工業用紙を生産しています。(建屋6F相当の高さに抄紙機を設置し防虫対策を施しています)
【ファンシーペーパー】
特種東海製紙さんは、手触りのやさしさ、ぬくもり、柔らかさ、風合いや色合いなど、紙が本来持っている豊かな表情や美しさを生かした紙を「ファンシーペーパー」と呼んでいます。
単行本の装丁(本コラム芥川賞、直木賞に使われている紙でもおなじみ)や、お菓子のパッケージ、レストランのメニューや、ステーショナリーなど、普段皆さんが出会う紙の中にこのファンシーペーパーが使われています。
【高級印刷用紙】
「Mr.B、ミセスB-F、エアラス」など、手触りが良く、風合いがあって、しかも写真やイラストを鮮やかに印刷することが出来る高級印刷用紙です。
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Pamとは
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では次に、「特種東海製紙Pam」のご紹介をいたします。
Pam(Paper and Material)はファンシーペーパー、情報用紙・工業用紙などの特殊紙の情報発信、販売促進の拠点として、また紙に関する総合的文化交流研究の場として2002年11月に開館しました。
Pamでは、過去から現在までの代表的な製品や紙にまつわるさまざまな収蔵品の展示のほか、貴重な紙資料の保護・保存に関する研究成果を検証するスペースも併設しています。
なお、見学には予約が必要です。
ある国民的芸能人の方も、普通に予約をしてきて見学に訪れたそうで、
まさに、リアル「ブラ タ〇リ」の様相だったそうです。
【建物について】
Pamの建築設計は世界的に活躍する坂茂氏によるもの。
三層吹き抜けのアトリウムをはさんで南北に展示室を配置するA館と旧実験工場建屋をリノベーションしたB館で構成されています。
【A館】
<Exhibition Zone(3F)>
特種東海製紙㈱が所蔵する作品や資料を展示するほか、紙を媒体とするデザインや、紙資料の劣化と保存の実験な場としても使われています。
<Conference Zone(3F)>
60人が収容できる多目的スペースです。
まずこちらでPamについての説明を受けました。
<Technical Zone(2F)>
インタラクティブ技術を用いた解説システムが導入され、実際に製品を手に取ってテーブルに置くことで、大型ディスプレイ上の情報にアクセスし、製品と紙づくりの技術に関するコンテンツが展開します。
<Creative Zone(2F)>
特種東海製紙グループが現在製造している紙、それらの紙から作られる製品やサンプルが展示されています。(弊社シオザワが携わった製品サンプルも展示されていました)
<Basic Zone(1F)>
創業以来製造してきた数千種の製品の中から、約300をアーカイブとして保管・展示。
主要な製品を時系列で閲覧できます。(個人的にはこのフロアが一番興味深く見学いたしました)
<Information(1F)>
受付・ご案内をするレセプションスペース、Pam関連図書や企業情報資料等、特種東海製紙のアーカイブが常時閲覧できるスペースがあります。
アトリウムに設置された80インチの大型ディスプレイのほか、館内のネットワーク環境にアクセスすると手持ちのスマホ・PC・タブレットからのアクセスできます。
【B館】
<Multipurpose Zone>
オープンなマルチパーパス・ゾーンとして、展示や新製品のプレゼンテーション、ワークショップ、企画展、巡回展の会場に利用されています。
<Pam-Da>
「Pam-Da(Pamデジタルアーカイブ)」は特種東海製紙が所蔵する、およそ90,000点の作品や紙資料の検索・閲覧ができる検索システムです。
【特種東海製紙Pam】
所在地 :〒441-0945 静岡県駿東郡長泉町本宿437
055-988-2401
開館時間:月~金 10:00~17:00 (休館日:土・日・祝祭日)
見学予約:見学には電話、ホームページからの予約が必要です
クリエイティブで、興味深い空間、それがPamです。
皆様も一度足をお運びになってはいかがでしょうか!
(本記事は、特種東海製紙株式会社パンフレットより一部引用しています)