栄誉を称えこれを賞します!「賞状」について

「賞状 ○○殿 あなたは○○大会に於いて頭書の成績を収められました よってここにその栄誉を称えこれを賞します  平成30年○月○日 ……」
スポーツの大会や音楽コンクールなどなど、この日の為に努力を重ね、結果を残すことができた人達だけがもらえるこの賞状。もらえた時は本当に嬉しいものですよね。
皆さんは最近賞状をもらう機会はありましたか?

先日私の父が定年退職を迎え、「感謝状」と書かれた賞状を持って帰ってきました。
文字は筆で書かれていて、とても大きく立派な賞状でした。家族の為に定年まで働き続けた父には、本当にありがたく頭の下がる思いです……。
私もまだまだ先の話ですが、もらえるように頑張りたいと思います!

ということで、今回は我が国でお馴染みの「賞状」について、アレコレと書いてみたいと思います。

   

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賞状の発祥と種類
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賞状は中国が発祥の地と言われており、中国の皇帝が現在の辞令にあたる人事発令や褒章の際に使用していたようです。
皆さんもご存じの通り、賞状には金色で縁取られた飾り枠があります。
中国発祥の賞状には飾り枠に「鳳凰」と「桐」が用いられ、日本ではこの飾り枠がデザインの起源になったそうです。日本では、宮中など一部の公式行事の際に使用されていたものが、明治以降に近代に入ってから官公庁で使用されるようになり、次第に一般でも使用されるようになりました。現在では賞状の飾り枠は「鳳凰」「桐」「雲龍」の3つから構成されています。

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用途による”呼び方”の違い
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一言で「賞状」と言っても、用途によって違う呼び方になります。

【賞状】
個人や団体の競技の際に、優秀な成績を残した人に対し、栄誉を称えて主催者が授与するものになります。例えば「第一位」や「金賞」など順位付けを行うスポーツ大会やコンクール、また会社での営業成績も「賞状」に分類されます。

【感謝状】
私は小学生の時にボランティア活動で、一度も休まずすべての活動に参加した為、「感謝状」として賞状をもらったことがあります。感謝状とは、日頃私達が感謝の言葉として伝えていることを、改めて書状にしたものを指します。例えば定年退職、また永年勤続も感謝状に含まれます。

【表彰状】
人がある活動において優秀な成績を収め、他の人の模範となるような行いがあった場合に授与されるのが表彰状になります。社会的な信頼度も高く公共性のある賞状になり、無事故無違反や長寿などでもらえるものが一例になります。
  

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サイズと厚さ
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私たちが普段使用しているコピー用紙やノートは、日本興業規格(JIS規格)と言って、日本の工業製品に関する規格や、測定法などが定められた日本の国家規格のサイズで作られたものになります。例えば、A4サイズは(210㎜X297㎜)、B5サイズは(182㎜X257㎜)とこのような寸法になります。

しかし賞状に関しては、普段私たちが使用するA4、B5サイズの大きさとは少し違う大きさで作られています。これはすでに賞状のサイズはJIS規格が制定される前に決まっていたため、JIS規格と異なったサイズをA4、B5サイズとしています。
また、横書きと縦書きどちらも種類がありますが、サイズは縦横で違いはありません。
今回は、一般的な賞状のサイズをいくつかご紹介させていただきます。

賞状A3サイズ・・・・436㎜X306㎜
賞状A4サイズ・・・・306㎜X218㎜
賞状A5サイズ・・・・218㎜X153㎜
賞状B3サイズ・・・・532㎜X390㎜
賞状B4サイズ・・・・390㎜X266㎜
賞状B5サイズ・・・・266㎜X195㎜

メーカーによって寸法が異なりますが、最近ではJIS規格サイズの賞状も作成しているところも増えているようです。

また紙の厚さは、サイズと同様にメーカーによって厚さは異なりますが、209g/㎡~262g/㎡くらいの厚さになります。少し厚い紙になりますが、この厚さで作ることによって、賞状としての重みもあり高級感もだすことができます。
薄くペラペラで、すぐ折れてしまうような賞状をもらっても、なんだかあまり嬉しくないですよね。また色はクリーム色や、白色の紙を使用しています。

   

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飾り枠(構成と意味)
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先程も触れましたが、賞状には金色で縁取られた飾りの枠が印刷されています。
私はいくつかの賞状を比べてみた時に、飾り枠の中央に描かれている鳥のデザインに若干の違いがあるように見えたことから、賞状に描かれている鳥はいくつか種類があるのではないかと考えました。同じように思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

賞状の飾り枠は、上の中央にある雲の絵の「雲龍」、雲龍の左右に配置されている「鳳凰」、下から左右と上へと鳳凰に向かって伸びている「桐」、この3つから構成されています。

こちらの左右二つの鳥が鳳凰で、中央の雲の形をしているものが雲龍。


そして桐になります。

 

この飾りにはどのような意味が込められているのでしょうか。

【鳳凰】
鳳凰は、古代より近世の中国における宮中行事において用いられ、尊くめでたいとされた四霊(龍、麒麟、亀、鳳凰)の一つであり、聖徳の天子の兆しとして現れると伝えられている「想像上」の鳥です。
諸説ありますが、鳳凰は鳳が雄で、凰が雌と言われており、夫婦仲が大変良く一生涯を連れ添うということで夫婦合わせて「鳳凰」と呼ばれているそうです。賞状に描かれている鳳凰は左が雄、右が雌で向かい合うような形のデザインになっています。

また調べた結果、賞状用紙の鳥は鳳凰のみということがわかりました。
わたしが考えた鳥の種類がいくつかあるという説は、デザインの違いということですんなりと解決してしまいました。(笑)

【雲龍】
雲龍は本来雲と龍をあわせ持って呼ばれています。鳳凰と同様に尊くめでたいとされた四霊の一つです。龍と共に雨を呼ぶ幸運の雲で、その雲についても「雲龍」と呼ばれており、大変尊ばれています。

【桐】
桐は中国で古来より「鳳凰が宿る尊い木」とされ、また「鳳凰は朝日を浴びた桐の葉の光に目覚める」と言い伝えられています。とてもありがたく、尊い植物として日本に伝わり、菊と共に皇室の紋章になりました。

このように、3つの絵柄には一つ一つに意味があり、すべてめでたいもので構成されています。賞状をもらうということは、とても名誉なことでありがたいことと改めて感じることができますよね。


「賞状」、いかがでしたか? 調べれば調べるほど、奥が深いですよね!!

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賞状にオススメの当社商品(紙)
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最後に、少し宣伝になってしまいますが、弊社のパピルプラス商品の「ワンシャルマン」と「テンカラーリネン色」と「テンカラー象牙色」は賞状用紙として使用することができますのでご紹介させていただきます。

「ワンシャルマン」は白色度の高い白色になります。「テンカラーリネン色」は少し明るさをおさえたナチュラルな白色で、「テンカラー象牙色」は賞状でよく使用されているクリーム色になります。

厚さに関しては以下の斤量が適応しています。

◎ワンシャルマン・・・・・・・・・・209.3g/㎡  (180㎏ベース)
                  261.6g/㎡  (225㎏ベース)

◎テンカラー(リネン、象牙)・・・・・205g/㎡   (175㎏ベース)


オフセット印刷にもレーザープリンターも対応していますので、状況に合わせて使い勝手が良いと思います。
詳しいことは弊社までお問い合わせください!