色紙にデジタル写真を出力してみた! イメージ比較検証

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デジタルカメラが主流で、しかも充実したカメラ機能を有しているスマートフォンの普及により、誰もが手軽に簡単にデジタル写真を楽しむ時代となりました。

撮った画像はどうするか?

パソコンに保存したり、クラウドにアップしたり……。
デジカメやスマホ本体にしかデータを残していないという方。危ないですよー!
機器が水没したり、紛失してしまえば……、オーマイガッ!!(笑)
データは必ず別の場所に保存しましょうねー。

さて、たくさん撮ったデジタル写真。その中に、データとして保存しているだけではなく、「やっぱり紙にプリントして手許に置いておきたい!」という“この1枚”があったり、「紙のフォトアルバムにして、みんなに見てもらおう」というケースも少なからずあります。
そんな時、さて皆さんは何にプリントしますか?

やはり仕上がりの良さからするとフォト紙でしょうか。
当然のように色は白。何と言っても色の再現性は白い紙がベストですからね。

では…、ここで質問です。
「白以外の色紙に写真をプリントしたことってありますか?」

――ん~、さすがにいらっしゃらない?!

ご存知の通り、紙は白だけではありません。
例えば色上質紙というカテゴリーですと、何十色ものカラーバリエーションがあるのです。(30色以上)
実は、それ程に色紙のニーズがあるということなんです。
で、その何十色もの色紙(色上質紙)を製造している製紙メーカーが、色上質紙の面白さをアピールする目的で、かつて白以外の色紙に写真をプリントしたチラシを作成したことがあるのです。

10年以上前ですが、色上質紙のメーカー、紀州製紙(現 北越コーポレーション)が、色上質紙の拡販キャンペーンのチラシを作成しまた。世界遺産に登録された熊野古道、その見事な杉がそびえる石畳の道をオフセット印刷で刷ったものでした。しかも、複数の色の色上質紙に印刷していました。確か、クリーム・浅黄・鶯・桃の4色だったと思います。同じ絵柄を、色の違う4種の紙に印刷していました。驚いたのは、紙の色によって熊野古道の異なる雰囲気が現れていたことでした。

クリームは日当たりの良い日中の古道。
浅黄はしっとりと小雨降る古道。
鶯は緑豊かな新緑の古道。
桃は夕焼けの古道。

同じ写真でも、印刷用紙の色でこんなにも雰囲気が変わるんだと、当時、「紙っておもしろいな」と改めて思い、しばらく、そのチラシをファイリングして持っていました。

と言うことで、この度、紙らぼの記事を書くに当たって、当時を思い出して、私自身が撮った写真を数色の色上質紙にプリントしてみました。

   

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色紙への出力(比較検証)
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今回は個人として楽しむ為に、家庭用プリンター(インクジェット)で出力しました。
使用したスペックは以下の通りです。

・ カメラ:CANON EOS-3
・ プリンター:CANON MG6930(インクジェット6色機)
・ 用紙:北越コーポレーション 
       白:ファインPPC、
       色:色上質(あじさい・さくら・レモン・鶯)
・ 出力内容:
     ①春/花見(左から、白、あじさい、さくら、レモン)
     ②夏/古道(左から、白、あじさい、レモン、鶯)
     ③秋/紅葉(左から、白、あじさい、レモン、さくら)
     ④冬/雪山(左から、白、あじさい、さくら、レモン)


①春/花見(左から、白、あじさい、さくら、レモン)

 

桜の花見。皆さんも何処かしらのお気に入りの花見スポットをお持ちではないでしょうか? 私は、毎年、近所の同じ場所で同じ写真を撮っています。――なのですが、今回使用した写真は初めて行った吉野山。


左から1番目「白/コピー用紙」:これを基準と見なします
左から2番目「あじさい」:若干青味があるので、空の色がくっきりした感じがでました。
左から3番目「さくら」: 桜の色がしっかりと出ました。
左から4番目「レモン」: 全体的に黄色味がかったので、夕暮れ感が出た気がします。

 

 

②夏/古道(左から、白、あじさい、レモン、鶯)

 

月山に登った際に立ち寄った月山神社の杉並みの参道。行ったことがない熊野古道とイメージをダブらせつつ歩きました。時々、小雨が降る中でしたが、霧がかった杉並みは雰囲気満点。

 

左から1番目「白/コピー用紙」:基準と見なします。
左から2番目「あじさい」:雨降り感が強調され、しっとりとした感じになりました。
左から3番目「レモン」:夕暮れ感がアップ。
左から4番目「鶯(うぐいす)」:葉色が強調され、新緑感がアップされたように感じます。


③秋/紅葉(左から、白、あじさい、さくら、レモン)

 

自宅近所の神社には面白いお地蔵さんがたくさんいます。パソコンを操作していたり、サッカーボールを携えていたり、携帯電話を持っていたり、団子を食べたり、寝そべっていたり、等々。そこでは桜、アジサイ、紅葉など季節の植物も楽しめるので、散歩によく行きます。


左から1番目「白」:基準
左から2番目「あじさい」
左から3番目「さくら」:紅葉の赤味がクッキリとなりました。
左から4盤面「レモン」:黄味がかっているので、夕暮れ感アップしたように感じます。


④冬/雪山(左から、白、あじさい、さくら、レモン)

見出しに「冬」と書いたのですが、この場所に行ったのはGW。残雪の常念岳での写真。”冬っぽいイメージ”ということでご容赦ください。


左から1番目「白」:基準
左から2番目「あしさい」
左から3番目「さくら」:朝焼けのイメージ
左から4番目「レモン」:夕暮れを印象づける感じになった気がします。


いかがでしょうか? 
同じ絵柄でも、異なる色の紙にプリントすることで、その雰囲気が変わる面白さを感じていただけたでしょうか?
青色系の「あじさい」は、雨降りの感じが出たり、空・海の色を印象強くします。
黄色系の「レモン」は、日当たりや夕暮れの感じが出ました。
桃色系の「さくら」は、朝焼け・夕焼けの感じが出たり、桜の色を印象強くしました。
緑色系の「鶯」は、葉色を印象強くし、新緑感で出ました。


異なる色の紙にプリントすることを楽しまれる際は、
①絵柄に白地がある程度残っていること。
②たくさんの色を試してみる。(印象の変化がわかり、より好きな色を発見できます)
③紙の色は薄めの方がベター。(桃よりさくら、浅黄よりあじさい、クリームよりレモンなど)
④紙の厚さは、色上質紙なら中厚口以上。(薄口だとカールしちゃいますし、裏抜けしてせっかくの色がはっきりしなくなります)
をお薦めします。


さて、その様々な色の紙の発注は、弊社シオザワへ!と言いたいところなのですが……。

な、なんと、100円ショップ/ダイソーさんでこんな物を見つけてしまいました。


「色画用紙」となっていますが、色上質紙の「暖色系」「寒色系」それぞれ10色2枚ずつ入り、しかも特厚口。


なんとまぁ、紙屋泣かせの一品。
悔しいですが、お試しあれ。(笑)