製紙工場探訪#3 O&Cアイボリーボード/徳島工場 王子製紙/富岡工場

皆さんこんにちは!
今回は製紙工場見学レポートの第3弾です。
 
先日、O&Cアイボリーボード株式会社/徳島工場を訪問してきました。(2017年10月生産開始)
昨年秋に王子マテリア株式会社から上市された、OKボルビザン(FSC認証品)とOKフレースPRO(FSC認証)の2銘柄のお披露目を兼ねての見学会でした。

「んっ!なんだ…」とお気づきと思いますが、もうここまでで3つの社名が出てきましたね。ちょっと本筋から外れてしまいますが少しご説明しましょう。

私たちシオザワは紙の卸商として、前述のOKボルビザンやOKプレースPROを販売するに当たり、代理店を通してメーカーである王子マテリアさんから仕入れているのですが、実はこの製品を造っているのはO&Cアイボリーボード㈱の徳島工場なのです。(OEM生産されています)
そもそもO&Cアイボリーボード㈱は王子製紙㈱と中越パルプ工業㈱の合弁会社(O&Cは両社の頭文字)で、王子製紙富岡工場の10マシン(2010年3月停機)を改造して雑誌の表紙や菓子箱に使われる高級白板紙や紙コップ・食品容器に使われる加工原紙を生産しています。王子製紙富岡工場の中に、O&Cアイボリーボード㈱の徳島工場があるということです。ちょっと大人の都合でややこしいですね!
また、桑野川(川幅340m)河口の富岡港を挟んだ辰巳第二事業所にある王子ネピア㈱徳島工場では、ティッシュペーパーなどのサニタリー製品を生産しています。辰巳第二事業所へは、深さ20m、全長840mのトンネルで原料、電力などを送っているそうです。

ということで、王子製紙富岡工場のお話をしていきます。

  

【富岡工場沿革】

1958年8月 神崎製紙㈱富岡工場として操業開始(パルプから紙までの一貫生産体制)
1968年4月 富岡工場第2期拡張工事完了
1980年3月 9マシン稼働
1989年3月 10マシン稼働
1990年3月 10号ボイラー(回収ボイラー)稼働
1993年10月 王子製紙㈱と合併
1998年12月 T-1マシン稼働(辰巳第二事業所・現王子ネピア徳島工場)
2008年12月 11号ボイラー稼働
2009年2月 N-1マシン稼働(稼働に伴い古く小さな6台のマシンを廃棄、その後2台停機・S&B計画完了)
2017年10月 10マシン改造・再稼働(O&Cアイボリーボード徳島工場)

 

 

【富岡工場概略】(2017年4月現在)

土地(工場敷地)

約1,100㎢ 東京ドーム14個分     

王子製紙富岡工場580㎢ 
第二辰巳事業所520㎢(王子ネピア徳島工場)

従業員数 313人
パルプ(自製パルプ能力) 937 t/D
DIP(古紙脱墨パルプ能力) 250 t/D
抄紙機台数(3台 能力合計)  1,502 t/D
塗工機台数(1台 能力合計) 430 t/D
ボイラー(2基 最大蒸発量) 610 t/H
電力(タービン発電機 5台 設置能力) 125,400 kw
  (購入電力 認可最大) 90,000 kw
用水(取水量) 183,000 t/D
原料使用量(チップ) 580,000 BDt/Y(BD:絶乾重量)
     (古紙)  100,000 t/Y

【オイルレス操業でCO2(二酸化炭素)を削減】

富岡工場では、木材チップからパルプを生産する工程で発生する植物性廃液(黒液)を燃料にしたバイオマスボイラー(回収ボイラー)と、非化石燃料を主燃料にした新エネルギーボイラーを使って工場に必要な電気や蒸気を供給し、完全なオイルレス操業を行っています。新エネルギーボイラーは、廃プラスチック、廃材、RPF(*1)等を主燃料としており、化石燃料由来のCO2を大幅に削減することで地球温暖化防止に貢献しています。
    (*1)RPF:リサイクルに適さない紙ごみと廃プラスチックを成型した固形燃料

かつての神崎製紙富岡工場時代は、高級アートのSA金藤、ロストンカラー、サテン金藤。
マットコートの代名詞と呼ばれたニューエイジなど、塗工紙の生産においては定評のあった工場でした。王子製紙との合併や大規模なスクラップ&ビルドを経て、生産性の高い主力工場になった今でも、かつての塗工技術は脈々と受け継がれております。

  

【製品紹介】

 

▶OKボルビザン(O&Cアイボリーボード)

最新の塗工技術と高い抄造技術のマッチングで、印刷適性と加工適正を兼ね揃えた両面コートアイボリーで、最高級グレードを誇る白板紙として開発されました。。
剛性を高めた(しっかりと堅い)紙質と肌合いは滑らかでスッキリとした白さを持ち、きめ細やかな面感良さが特徴です。
160~465g/㎡全9斤量のラインアップで、板紙でありながらもインキ再現性が高く印刷あがりの良い製品に仕上がっていますので、よりハイグレードな品質を求められる商品、出版物の表紙、カタログ、POP、トレーディングカードの他、高級パッケージや加工紙のベース原紙として幅広くお使いいただけます。

▶OKフレースPRO(O&Cアイボリーボード)
オールフレッシュパルプを使用した食品パッケージ用紙の「OKフレース」をさらにグレードアップさせた姉妹品として登場した「OKフレースPRO」。
剛性をさらに高めた紙質で、紙器加工適性を向上させており、食品一次容器にも適した新特殊白板紙です。
薄物から厚物まで190~450g/㎡全8斤量と幅広い品揃えで、菓子、医薬、化粧品、各種パッケージとして最適です。
 ・フレッシュパルプ100%使用
 ・蛍光増白剤、PCBは一切不使用
 ・日本製紙連合会が定める「食品に接触することを意図した紙・板紙の自主基準」に適合

▶塗工紙・微塗工紙(王子製紙)
 OKクリスタルライト、OKコートL、ニューエイジ、OKエンボス


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