「純白ロール」のウラ・オモテ

「純白ロール」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?

「おいしそうな、ふわふわの生クリームのロールケーキ!」
でしょうか?
ん~、食べたい!

では、同じことを紙屋さんに訊いてみてください。

なんと「あ~、あの紙ね」と答えが返ってくるのです。(アンビリーバボー!)

紙屋なら誰もが知っている紙「純白ロール」。
今日はこの美味しそうな紙(笑)をご紹介したいと思います。
  

純白ロールってどんな紙?

【特徴1】オモテ・ウラのちがい

ご家庭のプリンターでよく使う「普通紙」や、本や手帳に使われている紙は、表も裏も同じさらっとした質感ですよね。
でも、「純白ロール」は違うんです。オモテは「つるつる」、ウラは「ざらざら」。表裏で手触りの違う面白い紙なんです。

例えば、昔ながらの“日めくりカレンダー”にもこの紙が使われています。カレンダーが印刷されている面はつるつるで、ウラ面はざらざらしています。最近は見かけることが少なくなってしまいましたが、日めくりカレンダーを使ったことがある方ならわかるはずです。毎朝めくるのが楽しかったり、休みの前の日は「金赤」が透けて見えて嬉しかったり……。“モノ”としての手触りや質感、重なりの美しさを味わえるのは、紙ならではです。

「最近めくってないなあ…」と思っていたところ、先日こんなノートに出会いました。
その名も「日めくりノート」。純白ロールを用紙として使ったノートです。紙が薄いから、ページもたくさん。オモテとウラで質感がちがうので、書き味も違います。日めくりならではの「透け感」も楽しめます。いつもと違うノートにメモしていたら、なにか違うことがひらめきそう…?
気になる方はこちら。全国の文具店などで購入できます。http://www.365series.net/

  

【特徴2】繊維とグループ
表裏の”目に見える特徴”の他にも、”目には見えにくい”ところで普通の紙との違いもあります。
それは、「繊維の長さ」です。パルプ(紙の素材)の中でも長い繊維のものを使用しているので、普通の紙よりも強いという特徴があります。
そして「純白ロール」は、この”強さ”故に、用紙のグループ分けをしたときに「包装用紙」というグループに入ります。呼び名は可憐なイメージなのに、用途は包装用紙なんです。
包装用紙というと、その代表格に御存知の「クラフト紙」があります。「クラフト紙」も繊維が長く、破れにくいため様々な梱包に使われています。紙の色は、漂泊していない茶色のものが多いため、実用的な梱包やナチュラルなイメージのラッピングなどで多く見られます。
これに対して「純白ロール」は、その名の通り、真っ白。漂白パルプを使用しており、紙の肌は白銀のよう。実際の商品名も、「白銀」や「白夜」などと、真っ白な光景をイメージさせる名前がついていたり、また、「はまゆう」という、きれいな白い花の名前がついているものもあります。

「真っ白な」「包装用紙」なので、贈答用の包装紙にもたくさん使われています。クラフト紙と違って紙の色に影響されずきれいに印刷できるため、全面に印刷をかければ、破れにくいオリジナルの包装紙になるのです!

例えば、洋菓子屋さんが包装紙を作りたいと相談にみえたとしましょう。「つやつやできれいな包装紙を作りたい!」
そんな時は「純白ロール」。オモテの平滑な面に印刷をかけて、つやつやのオリジナルの包装紙を提案できます。

今度は和菓子屋さんが包装紙を作りたいと相談にみえました。「和風な質感でしっとりした包装紙を作りたい」
そんな時も「純白ロール」。ウラのざらざらした面に印刷をかけて、風合いのあるマットな仕上がりの包装紙を提案できます。

このように、「印刷+オモテorウラ」の工夫でこんなに表情が変わるのです。
弊社でも先日、ある企業様がお配りになる和菓子系のノベルティの包装紙として、「和風のデザイン+ウラのざらざら面に印刷」で実際に製作しました。和のデザインをただ印刷するだけではなく、手に取った時のざらっとした落ち着いた紙の質感が「和」の雰囲気をより引き立たせていました。

紙の活かし方は、使う人次第で広がります。
イメージに合わせた紙、質感、用途に合った適性。
「こんなことをしたいんだけど、それに合う紙ってあるのかな?」といった疑問や、「この紙を使ってこんなことをしたいんだけど、適性はあるのかな?」といったご質問も、是非紙屋さんに訊いてみていただけたらと思います。

きっと答えがみつかるはずです。