紙製の鍋は燃えない?! ――ふぐ鍋に見る紙の神わざ

ちょっと間が空いてしまいましたが、

2017年の7月25日は何の日?

――土用の丑の日!

ウナギを食べた人も、食べなかった人も、「そもそも気にしてなかったよ」など様々な人がいたことと思います。

日本には昔から、土用の丑の日になるとウナギを食べる風習があります。
ウナギの旬は本来冬ですが、季節外れの夏でもウナギが売れるようにと、江戸時代の発明家として知られる、平賀源内がキャッチコピーとして「土用の丑の日にはウナギを食べる」と広めたところ、現在までに続くようになったと一説では言われています。


さて、7月25日(※暦に従うので毎年違います)は土用の丑の日でしたが、他にも食べ物にちなんだ日があります。
例えば2月9日。さて、何の日でしょうか?

数字の語呂合わせで2(に)、9(く)で、肉の日を想像したかもしれませんが、実は2月9日は「フグの日」なんです。(ちなみに、11月29日が「いい肉の日」として認知されていますね)

フグで有名な山口県下関では、「フグ」の読み方を、縁起が良いようにと「ふく」(福)と呼んでおり、下関ふく連盟が、2月9日が2(ふ)、9(く)と読めるとこから、この日を「ふくの日」として制定しました。

さて、たまたまこの前とあるフグ料理屋さんに行く機会がありました。
その時、ふぐの鍋(てっちり)を頼んだのですが、普通の鉄製ではなく鍋が紙製で、長時間煮ていてもまったく問題なく使えていることに驚きました。

しかし、よく考えると不思議です。

紙は水と火に弱く、火にかければメラメラ燃えますし、水につければ濡れて使えなくなります。
「なのに何で?!」

こうした疑問から調べていくと、「紙の鍋だからこそ」といった理由がみつかりました。
大阪・梅田にあるフグ料理専門店「梅田ふぐ乃介」さんによると、利点として3つあげていました。

 ①紙の繊維がアクをとり、食べている最中でもアクを取らなくて済む
 ②紙なので処分が楽で、使い捨てで衛生的
 ③見た目がよく食欲が上がる

こうした利点は従来の鍋にはない利点です。
「梅田梅田ふぐ乃介」さんのサイトでは、更に詳しい解説が載っていますので、ご興味のある方はコチラまで → https://ameblo.jp/umeda-fugunosuke/entry-12201297196.html >


近年、人口減少やペーパーレス化など様々な変化の中で紙の消費量が減り、紙業界にとっては厳しい状況が続いています。その一方で、高機能で、新たな付加価値を持った紙の開発や製品化が進み、紙の新しい可能性が広がっているのも事実です。
紙鍋のように、紙の特性を活かした紙製品は、今後も次々に生まれていくことと思います。

これからも、日常生活にある一風変わった紙製品や、高機能な紙製品を見かけましたら、また皆様にご紹介したいと思います。