知ってる? 名刺の厚さ

ダイヤルゲージ
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入社ン十年、そこそこ長い間、「紙」という素材に携わってきましたが、最近、名刺に使う紙についてのお問い合わせが多くなっているような気がします。
オンデマンド印刷機(プロダクションプリンター等)が、これまで紙との係わりが少なかった企業や個人にも広く導入されていることが要因の一つかもしれません。

その中でも、特に紙の「厚さ」についての質問が少なくありません。
お問い合わせに対しては、これまでの実績や経験をもとにお答えをしておりましたが、日頃いただいている各社様の名刺が、実際どのくらいの厚さなのかを確認したことがなかったので、今回、まとめて測定してみることにしました。

測る! どうやって?
あるのです。手軽に紙の厚さを測る機器が。
今回は、当社で良く使われているダイヤル式の機器で測ることにしました。

ちなみに、オフィス内で良く見かける素材を測ってみると
・コピー用紙が0.09mm、年賀はがきが0.23mm、
Campusノートの表紙が0.27mm、日経新聞が0.06mm。
新聞紙は、薄くてもコシがあり丈夫です。大きな新聞を細長く折ることで、狭い
電車の中でも気軽に読むことができるのは、その特徴のお陰かもしれません。
(車内で新聞を読んでいる人が、めっきり少なってしまいましたが・・・)

名刺はこれまでいただいた中から、無作為に選びました。
その数、60枚。
製紙、複写機、印刷、鉄道、生保、銀行、テレビ局、通信、コンサルタント、病院、ガス、スポーツ関係など、業種は様々です。

さてさて、結果は!・・・
測った名刺の中で、最も薄かった名刺が 0.18mm、で6社、
対して、最も厚かった名刺が0.31mmで、2社、でした。
それぞれの厚さの枚数は、下記の通りです。
紙の規格(米坪)としては、186.1g/㎡ ~ 256.0g/㎡といったところです。

 

名刺の厚さ(60枚無作為抽出したもの)
名刺の厚さ(60枚無作為抽出したもの)

※紙の種類や測り方によって、多少数値が変わりますのでご了承ください。)

ご覧のとおり、0.20~0.21mmの厚さの名刺が、全体の40%を占めました。
業種別に何か傾向がでるかなと思いましたが、特に顕著な傾向はみられませんでした。
少し期待をしていたのですが・・・。

あくまで個人的な意見ですが、厚さが0.20mmを下回ると、受け取った時に、「薄くて、ちょっと頼りないな・・・」という印象を受けます。
薄い紙を使用する場合は、なるべく硬めの紙(例えば、カード紙やケント紙類など)を使うと、多少頼りなさをカバーしてくれると思います。


0.30mmを超えると、かなりしっかり感が出て「おっ、他と違う!」と感じます。
厚くなった分、名刺入れに入れられる枚数は少なくなりますのでご注意ください。
オフセット印刷では、印刷代金がアップする可能性があります。また、オンデマンド印刷機でも機種によっては、色の調整作業が必要な場合もありますので、厚い紙に変える際は、お付き合いのある印刷会社様にご確認されるのが宜しいと思います。
また、たまたまなのでしょうか、0.27~0.29mmの間の用紙が見受けられませんでした。不思議な結果なので、今後もう少し他の名刺も調べてみようと思っています。

一方で、同じ厚さの紙でも、手触り感、硬さ、色合いが異なると、受け取った時の印象が大きく変わってきます。
弊社の中でも、紙質の違う名刺を幾つか持って、使い分けをしている営業マンもいるほどです。
紙業界に身を置く会社でも、極々一般的な用紙を使用していることが多く、少し残念な気がします。

改めて各社様の名刺を見てみると、デザインも様々で非常に興味深いです。55mm×91mmという小さな紙面に無限のレイアウトがあり、デザイナーの方々の発想力に感心させられます。
ちなみに、当社の名刺は、「顔写真入り」(控えめに小さ目)に加え、趣味、特技、出身地、座右の銘など、10項目の中から好きなものを3つ選んで名刺に記載しています。(選ぶ項目は各自で異なります)
新規訪問のお客様と名刺交換をさせていただくと、「おもしろい!」と名刺の話題になることも少なくありません。
特に、趣味や出身地が同じ方の場合、結構、話が盛り上がったりします。

紙厚の測定から、話が広がってしまいましたが、日頃、何気なく交換し合っている「名刺」も、紙厚、紙質、デザインをひと工夫すると、意外と効果的なビジネスツールになるかもしれません。

とは言っても、あくまで企業イメージに合った用紙をお選びくだくことは大切です。
用紙の選定に迷ったら、お気軽に(株)シオザワまでお問い合わせください。

 

 

<2018年4月5日追記>

2018/04/05 名刺関連記事追加 『名刺アレコレ「厚さ、サイズ、用紙」』