
先日(7月2日)に行われた東京都議会議員選挙。
結果は、都民ファーストの会の圧勝に終わりました。(自民党の大敗とも言えますが……)
「でしょ!」と思った方、「マジか?!」と思った方、それぞれにいらっしゃったことと思います。どちらにしても「より良い東京」が築かれるよう、しっかりと行政を運営していってもらいたいものです。
さて……、
と言ったところで、今日のお題は「選挙」。
紙屋からみる選挙についてのプチ情報を書いてみようと思います。
「選挙と紙」と聞いて皆様は何を連想されますか?
――ポスター、パンフレット……。
ですよね。かなりの量ですものね。
あの類いは、立候補者それぞれで製作していますので、使っている紙も自ら選べますし、勿論、印刷する内容は個々に違っています。
その一方で、全ての有権者に、同じ紙で提供されている物もあるのです。
お気づきですか?
そうです、投票用紙!
「選挙」という一連のイベントの中で唯一(?)全て同じ紙が使われているのです。全国の全ての選挙で同じ紙が使われているかどうかは私は知りませんが、かなりの占有率で同じ紙が使われていることは確かです。
あの投票用紙。何でできているかご存じですか?
実は木材パルプから作られる一般の紙とは違って、主原料がポリプロピレンなのです。その名は「ユポⓇ」(株式会社ユポ・コーポレーション製)。“合成紙”というカテゴリーの紙です。
ユポⓇの特徴は、
①水に強い
②破れにくい
③表面がなめらか
④折り曲げに対する反発が強く、折りが戻る傾向がある
⑤その他
「なめらか」なのは皆様も記入する際にお感じになったことがあるのではないでしょうか。「あれっ、何だこの書き味は……。なめらか~」と。
そして、ユポⓇが投票用紙に採用されている最大の理由が、「折りが戻る傾向がある」という特徴からなのです。
かつてユポⓇを使うまでは、開票作業にかなりの時間を要していました。投票箱から投票用紙を取り出し、折り畳まれた用紙を一枚一枚開く作業にかなり手間取っていたからです。
ところがユポⓇですと、一度折り畳んでもすぐに戻ってしまう。つまり折り畳んだ状態で投票しても、投票箱の上蓋を通過した途端に箱の中ですぐに用紙が開いてしまうわけです。ユポⓇのこの特徴によって、今では一枚一枚開く作業をしなくても開票作業が進められることになり、結果、開票スピードが上がり、開票時間を大幅に短縮できるようになったのです。
「え?ホント?」と思った方。
「知らなかった~」という方。
次の選挙で試してみてください。
候補者名を記入した後、折り畳んで、手を離す。
ほら、開くでしょ?!
こんなところにも紙の特徴が活きているのです。
ユポⓇは上記の①②の特徴から、選挙ポスターとしても相当量が使われているのが実状です。
政局が安定せずにしょっちゅう選挙が行われるようでは困りますが、紙屋からみると思いがけない選挙によって「選挙特需」があるというのも事実です。これも”紙屋アルアル”のひとつでしょうか……。
さてと…、
次の選挙はいつだっけかな~?