印刷の付加価値を上げる!「ハイブリッド印刷体感フェア」レポート-②

▶オンデマンド印刷の新たな可能性①


ハイブリッド印刷以外にはRICOH Pro C7100Sにてノーカーボン紙の印刷デモも行っていました。ノーカーボン紙は中用紙ですと通常は番手N50の厚さが限界なのですが、今回のオンデマンド印刷ではN40でミシン加工されたノーカーボン紙を連続で印刷していました。これは、RICOH Pro C7100Sが持つ用紙給紙時の左右からのエアアシスト給紙(エアピック式A3LCT RT5100)によるさばき効果に加え、新たに用紙上面をエアで1枚ずつ吸着することで用紙搬送がよりスムーズに行えるようになった結果だそうです。重送(多枚送り)や不給紙の発生を低減し、優れた用紙搬送を実現するとの説明でした。中用紙は通常の給紙ローラーで給紙すると紙にローラー跡がついてしまうのですが、エアで給紙するのでローラー跡も無く非常にきれいな仕上がりでした。もちろんオンデマンドプリンター自体のスペック以外にも紙の目方向もカール現象などで作業効率に関係してくるので、紙屋としてはこのあたりも今後さらに紙の知識を増やしていきたいと感じました。

 

▶オンデマンド印刷のあらたな可能性②

RICOH Pro C7100SではCMYKの4色以外にオプションで1色分追加ができます。ホワイトトナーとクリアトナー、ネオンイエロートナーの各色が使用できるようになっています。今回初めてネオンイエローのトナー出力サンプルを見ることができました。ホワイトやクリア同様ネオンイエローも黒系の用紙に映えるトナーですので、これらのトナーを活用できる用紙の提案も今後行っていきたいと思いました。

 


▶まとめ

ネット通販市場の拡大やユーザーニーズの多様化など、市場に存在するブランドの数は20年前の倍に増加しています。その一方で、縮小傾向にある日本の人口は2050年に1億人を下回ると予測されています。商品の多様化と縮小が進む市場においてのマーケティングコミュニケーションは顧客セグメントに対応したパーソナルな「自分事化」された情報提供へと移行していくと言われています。IoTによるデジタル革命で今後更にパーソナル且つデジタルな情報は増えていくことが予想されます。今回の「ハイブリッド印刷体感フェア」で紹介されたようなパーソナルな印刷物はまさに今後広がりを見せていくと思われます。その中で紙のもつ視覚的効果をオンデマンド印刷とうまく組み合わせることで、より差別化できるのではないかと思います。デジタルな情報が増えるからこそアナログな紙の良さが見直されています。今後も紙とオンデマンド印刷の相乗的な関係を築くために勉強を続けていきたいと思います。